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こころの再生百人衆

芸能・文化分野の方々

imafuji

今藤 長十郎さん

長唄今藤流家元


昭和26年に四歳で初舞台。日本大学芸術学部音楽学科作曲専攻卒業。
昭和59年四世今藤長十郎襲名。家元継承。
同年から毎年京都宮川町「京おどり」を作曲。今藤会、今藤長十郎「三味線の響き」主宰。
その他、毎年、長唄協会主催、東京新聞主催の長唄公演に出演。NHK(テレビ/ラジオ)等多数出演、海外公演多数(アメリカ、ヨーロッパ、アジア)など幅広く活躍。現在、社団法人長唄協会理事、大阪芸術大学客員教授、国立劇場養成課講師、NHK文化センター(東京、大阪、京都)講師、東山女子学園教授など要職多数。また、東京、大阪など全国9箇所の今藤長十郎稽古場を運営。

今藤 長十郎さんからのメッセージ

いいところを見て、いいところと付き合う

今は核家族化が進んでいるので、子どもたちは大人と接触する機会が少ないんです。でも長唄や三味線などの昔からの稽古事っていうのは、子どもも大人の中、すなわち大人の社会に入る。そこでお稽古だけじゃなくて社会性を学ぶんですよ。最初は十分あいさつもできず、戸惑っている子どもでも、一年二年経つと周りの大人を見て、入ってきたらちゃんと頭を下げて「お願いします」って言い、終わったら「ありがとうございます」って言えるようになる。こういうのは教えなくても、他のお弟子さんの所作を見て覚えるんですよ。大人が教えるんじゃなくて、子どもが見て「あ、あんなことをするんだ」ということを覚えるんです。

このように自然に身につくっていうことが、素晴らしいことだと思いますね。子どもってよく見てるんですよ。で、大人の真似をするんです。やっぱり大人がきっちりしてれば、子どもも自然と真似するんですよね。

私、大阪芸大客員教授してるんですが、授業中に「ウワー」ってアクビする学生がいるんです。私達の頃はちょっと隠してするとかしたもんですけど、今の学生は隠さない。そんな時は私のほうに呼んで「ここからアクビをしてるのを見てどう思う?」って聞くんです。頭ごなしに言ってしまうと反発してしまうこともあるので、こっちに呼んで聞く。それで自分が納得すると「ああそうだな」って気づくんです。

大学生になってもこんなことすら習っていないというか、家の中でしか大人と触れることが少なくなってきているので他の大人と接触する機会が少ないからなんです。今は大人対子どもという形でなく、稽古事のように大人も子どもも「いっしょくた」になってる社会って少ないので、今後いろいろな形でそんな場を提供していきたいなって思いますね。

それと、どんな人でもいいところは必ずあるんです。だから、いいところを伸ばしてあげたいと思う。もちろん欠点を注意しなくちゃならない場合もあるけれど。また、人との付き合いもそう。みんな、欠点もあるし悪いとこもあるけれど、悪いところを見ていたら楽しいお付き合いなんてできない。だから、その方のいいところとお付き合いすることが大事。そうすることであまりもめ事も起こらないと思う。

なるべく大人同士でも大人と子どもでも、いいところを見る、いいところと付き合うということを、心がけていてほしいと思いますし、私も自分自身に言い聞かせて、お教えするときも普通のお付き合いするときも、その方のいいところとお付き合いしようと思っています。

私は四世今藤長十郎であり、父が三代目家元です。長唄っていうのは家元制度で伝わっており、やっぱり家元になったら良いものを次代に残そうという責任がありますので真剣です。そんな使命感を持って取り組むので、家元制度で伝わってきたものは、今でも元気でいるんですね。だから私も、次の世代に長唄の良さを伝えることは当然ですが、あいさつやお付き合いの仕方など、日本の伝統的な良いところについてもあわせて伝えていきたいなと思います。

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