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こころの再生百人衆

アカデミック分野の方々

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柘植 雅義さん

兵庫教育大学大学院 特別支援教育学専攻 教授


兵庫教育大学大学院 特別支援教育学専攻 教授
障害児心理学 発達障害児指導法 教育政策・教育行政
1983年3月愛知教育大学大学院教育学研究科修士課程数学教育専攻修了
1988年3月筑波大学大学院教育研究科修士課程障害児教育専攻修了
1994年10月国立特殊教育総合研究所・研究員
1996年6月 国立特殊教育総合研究所・主任研究官
1997年8月米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校客員研究員
2000年4月国立特殊教育総合研究所・研究室長
2001年10月文部科学省初等中等教育局 特別支援教育調査官
2006年1月兵庫教育大学大学院 特別支援教育学専攻 教授
2006年1月東京大学大学院医学系研究科・客員研究員(2007年12月まで)
<主な所属学会>
日本特殊教育学会(常任編集委員)
日本LD学会(常任理事/研究委員会副委員長/編集委員)
日本自閉症スペクトラム学会(理事)
日本K-ABCアセスメント研究会(理事)
日本発達障害ネットワーク(JDDNetwork)(理事)
ホームページ
 
http://www.edu.hyogo-u.ac.jp/tsuge/index.html

柘植 雅義さんからのメッセージ

多様な子どもたちがいること知って、互いに思いやれるように

私は、今は大学で、LDやADHD、自閉症など、いわゆる発達障がいの子どもの教育をどうしたらいいのかという研究をしています。大学の前は、文部科学省で、障がいのある子どもの支援に関する施策や体制整備等の仕事をしていました。またその前に、国立の研究所に所属していたこともあり、これまで一貫して発達障がいの子どもをどう支えていくのかという仕事に携わってきました。

数年前の国の調査において、小学校、中学校の通常学級の6%ほどの子どもが、学習や行動につまずきがあるという結果がありました。例えば40人の学級だと2~3人くらい、30人のクラスだと2人くらい、20人のクラスでも1人くらい、そうした子どもがいることになります。

実際に、私も巡回相談などで学校を訪問することがありますが、授業中に先生の話を集中して聞く子どもや、とても理解が早くて先生が問題を書いているうちに答えを考えてしまう子どももいれば、じっと座っていることが難しくて、10分くらいするとそわそわして席を立ってしまう子どももいます。なかには、先生の説明している内容が十分理解できなくて、先生に何度も同じ質問する子どもや、国語は好きだけど算数は苦手だとか、体育は好きだが算数は苦手だとか、本当に様々な子どもがいることがわかります。

これまで我が国では、通常学級には障がいのある子は在籍せず、そうした子ども達は特別支援学級や特別支援学校で学んでいるとされていたのですが、実際には、学習障がいのある子どもや、ADHDの子どもたちが、通常学級の中で学んでいることがわかってきました。

こうした現状を踏まえ、支援が必要な子どもたちをもっと大切に育てていこうという方向性に少しずつ変わってきています。従前のように、通常学級の中で、子どもたちが皆、同じで内容の、同じ進行速度で、勉強を教えていけば良いという時代ではなくなってきています。

例えば、学習指導要領においても、学びの習熟度に応じて指導する方法や、内容を変えていくなど、個々に応じた指導の重要性が謳われています。一人ひとりの子どもを大切にする教育に変わってきているのです。

また、障がいのある子どもも、家に帰れば地域で生活しているのですから、学校以外の場所においても、発達障がいの子どもに関する大人の理解が求められていると思います。

数年前のことですが、コンビニエンスストアの団体が、従業員の方を対象に、発達障がいについて理解をするための案内パンフレットを発行されましたし、医師や看護師などの医療関係者も、自分達がもっと理解を深めるためのパンフレットを発行されました。

買い物や医療などの日常生活の場で、発達障がいを理解をしようという風が吹いていることは、たいへん喜ばしいことだと思っています。なぜなら、発達障がいのある子ども達にとって暮らしやすい街は、高齢者や身体に障がいのある方だけでなく、健常者にとっても暮らしやすい世の中だと思うからです。

また、学校の中では、大人になる前の小学生、中学生のうちから総合的な学習の時間や、道徳の時間などを使って、自分の身近なところで、多様なニーズを持った子どもたちがいることを学ぶ必要がありますし、あるいはそういう子どもたちと一緒に学んだり遊んだり、時には支えてあげたりすることを経験していくことは、子どもの人間形成上、とても重要な意味を持つと思います。

例えばある子どもが成長して、建築家になるとします。そうすると小学校のときにクラスにいた発達障がいの子どもと遊んだり、勉強したりした経験があれば、建築家になった時に、そういう方が生活するためには、このマンションの構図はこう設計すれば、間取りはこうしたらいいということを考えることができると思うのです。

是非、一人でも多くの方に、世の中には、多様な子どもたちがいて、多様なニーズを必要としていることを知ってほしいと思います。そうして、みんなが互いに認め合う社会、思いやる社会になってほしいと思います。

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