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こころの再生百人衆

NPO・その他分野の方々

原坂 一郎さん

育児・保育コンサルタント KANSAIこども研究所長


1956年生まれ、兵庫県出身
79年関西大学社会学部卒業後、独学で保育士資格を取り、男性保育士の草分け的な存在となる。
23年にわたる神戸市の保育所勤務を経て、現在は、子どもコンサルタントとして全国で講演・講座・執筆活動を行っている。

原坂 一郎さんからのメッセージ

子どもに教えられたもの

23年間、子どもたちと過ごしてきて一番感じたのは、「子どもはエライっ!」ということです。何がそんなに偉いのかと言うと…、子どもは自分に与えられた環境に対してな~んにも文句を言わないのです。

たとえば保育園のプールというのは、たいていは8畳くらいの小さなプールに、10人も20人も入る(入れられる!)のですが、その狭さに文句を言うのは、保護者や私たち保育者ばかり。「狭くてかわいそうに」「これでは十分に泳げない」…などなど。でも、私は、23年間、ついに一度も子どもからはそんな言葉を聞いたことがありませんでした。それどころか、子どもは「プールだよ」と言うだけで喜び、もう毎日大喜びで入り、プールからは歓声しか聞こえません。狭くて友達とぶつかったことも自分の笑顔にしています。

また、たとえば子どもは我が家がどんなに狭かろうと、どんなに不便なところに建っていようと文句を言いません。我慢しているのではありません。不満に感じないのです。それどころか、何かあるとすぐに「おうちに帰りたい」と言うほど、そんなわが家が好きで、大満足しているのです。

私は、子どもたちが毎日あんなに笑顔でいられるのは、そのように、何でもまず満足点探しから始めるからだと気付きました。それに引き換え、私たち大人は、まず不満点探しから始めます。プールを見れば「狭い」「浅い」、わが家を見れば「汚い」「狭い」「不便」、その中にある満足点はまったく見ないで、まず荒探しから入るのです。近所の人と顔を合わせては「毎日暑いですねえ」「梅雨はうっとうしいですねえ」など、自分にやってくるものは自然にまで文句を言っています。

でも、どんなものにも「よさ」というものは備わっています。たとえば梅雨には梅雨のよさがあります。子どもは長雨が続いても「あ、きょうも雨だな」と思うだけで、決して文句は言わず、「傘が差せるぞ」「きょうも大好きな長靴がはけるぞ」「部屋でブロック遊びができるぞ」と、雨の日にしか備わっていない喜びや楽しさを真っ先に見つけ、雨の日でも笑顔でいることができるのです。

そこで、私も子どもを見習い、何があっても、まず文句を言うのをやめ、その中に必ず存在する「満足点」を探すようにしました。すると、「幸せ」や「感謝の気持ち」というものを一日の中で何回も感じるようになり、目に見えて自分に笑顔が増えていったのです。

電車に乗り遅れたなら、「ヤッター、次の電車までベンチでゆっくり本を読めるぞ」、訪ねるところが駅から徒歩20分だったならば、「ヤッター、いい運動ができる機会を持てたぞ」と、自分にやってくるものすべてがうれしく有難いものに思えるようになったのです。それまでは、ただ「嫌いな人」でしかなかった人も、その中に必ず「よさ」があることに気付き、そこだけを見つめるようにすると、人間関係もうまくいくようになってきました。

子どもたちを教える立場であった私でしたが、何のことはない、教えてもらったのはこの私でした。人として大切なことを、たくさん私に教えてくれた子どもたちに、今、とても感謝をしています。

物事の不満点を探さず、いつもまず満足点を探すことからだと思うようになりました。

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