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こころの再生百人衆

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寺井 種伯さん

大阪天満宮宮司


大阪天満宮宮司
昭和32年 関西学院大学文学部史学科卒業
昭和33年 國學院大學神道専攻科卒業
昭和39年 大阪天満宮禰宜就任
昭和48年 大阪天満橋ロータリークラブ会員
平成元年 大阪天満宮宮司就任
平成17年 財団法人大阪國學院理事長就任

寺井 種伯さんからのメッセージ

古からの日本人の良いところを伝えていきましょう

私の子ども時代は戦時中で、近所の皆さんが助け合わなければならない時代でしたので、いわゆる「向こう三軒両隣」という言葉に代表されるような「相互扶助」の精神が地域社会に根付いていました。だから、地域そのものが互いを助け合って本当に仲良く生活していたように思います。

現在は、極端な場合、隣の人の顔もよく知らないという話しも聞きます。それは、個人主義や核家族化が進んだから、あるいは生活が便利になって、誰の世話にもなっていないと考えるようになったなど、様々な要因があるのでしょうね。

殺伐とした世の中ですが、子どもは、大人たちの背中を見て、敏感に感じ取りますので、今一度、昔から日本人が持っている、互いを思いやる心や、自然への感謝、勤勉性などについて、私たち大人がしっかりと次代に伝えていく必要があると思います。

最近、地域の小学校から、子ども達に「郷土」をテーマに話しをしてほしいという依頼があります。そういうときは、私は必ず子ども達に、「あなた方は、今生きているこの瞬間だけを捉えるのではなく、遠い先祖が作り上げてきたこの地域のことをもっと知る必要がありますよ。そして自分たちもいずれはこの地域社会を守り支える一人になっていくのだということを考えてくださいね。それから、自分の命があるのは、先祖がつないでくださったおかげであり、生命を大切にし、ご先祖への感謝の心を持たないといけないですよ。」といった内容の話をします。

つまり「地域社会を支える自覚」、「生命の大切さ」、「感謝」などについて話しをするのです。また、「『ありがとう』と自分から言える人間にならないといけないですが、『ありがとう』と言ってもらえる人間にもなりましょう。」とも話しをします。

本来、神社の祝詞というのは、感謝を述べているのです。雨風が吹かないように祈り、その結果の豊作を感謝するというのが非常に多いです。八百万の神、自然は全て神であるといったわが国特有の先祖からの伝えがあります。日本では、「自然保護」について、人は自然の中で生かしていただいているのだという考えによって、我々の先祖から伝えられているのです。

また、人間は弱いものですから、なかなか自分に自信が持てない。だから受験や就職試験などで、神様にお願いする気持ちが生まれてくる。これは当然のことですが、ただお願いするだけでなく、自分は一所懸命に勉強しますという誓いを立てないといけません、これが神様との約束なのです。人間は初心をすぐに忘れてしまいがちですが、お守りを身近に置いて、約束を思い出し、一所懸命努力する。その印としてのお守りは必ず人間に自信を与えてくれるのです。

それから、初詣は、お正月に気持ちを引き締めて、家族みんなで神様にお参りをし、新年を新たな気持ちで迎えるという古からの日本人の心情が続いているものです。これも、「昨年は家族全員が健康で過ごさせていただきありがとうございました。今年も家族ともどもしっかりがんばりますので、どうぞお見守りください。」という感謝と誓いのお参りがより良いと思います。

現在は、物事の処理のスピードと効率性を重んじられ、結果や利益を安易に求める傾向にあります。それはある意味、社会の進化がもたらしたものかもしれませんが、人間のモノやお金への欲望は尽きることはありませんので、どうしても、人と人の間に、もめ事や争いが起きます。しかしそうした争いごとは、人間の理性で抑制しなければならないと私は考えます。

そのためにも、平素から、結果だけを希求するのではなく、解決への道のりや経過をもっと重んじる必要があるのではないでしょうか。そうすることで、人はもっと物事をもっと掘り下げて思考するトレーニングができます。子ども達の勉強においても、参考書やインターネットの検索にたよることなく、解答を自分で求めていってこそ、本物の勉学であり、教育だといいえるのではないでしょうか。

日本人は、昔から、八百万の神を敬い、感謝し、人と人は助けあいながら、深く静かに思考することを伝えてきました。良いところは、これからもずっと伝えていきたいですね。

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