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経済分野の方々

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上田 理恵子さん

株式会社マザーネット 代表取締役


17年間勤務した会社を退職し、仕事と家事・子育ての両立に悩んだ自身の体験を生かしてワーキングマザーを総合的に支援する会社「マザーネット」を設立。
働く母親が本当に困ったときに役立つサービスをめざし、ワーキングマザーを総合的に支援する事業をきめ細かく展開している。

1961年12月 鳥取県米子市生まれ
1984年3月 大阪市立大学生活科学部被服学科卒業
1994年7月 「『キャリアと家庭』両立をめざす会」設立
2001年8月 ワーキングマザー向け月刊情報誌「Career&Family」創刊
2001年8月 株式会社マザーネット創業
NHk第一ラジオ「ラジオビタミン」内の「みんなの子育て」レギュラーコメンテーター
毎日放送番組審議会委員など、様々な場面でワーキングマザーの声を伝えている。
〈受賞歴〉
2003年度大阪市きらめき賞、大阪府女性基金プリムラ奨励賞(個人)を受賞。
2006年にっけい子育て支援大賞を受賞。  など

上田 理恵子さんからのメッセージ

「親が夢を描き、実現することで、子どもたちも夢を描けるのです」

「お母さんはボクに夢をあきらめるなって言うけど、お母さんは夢をあきらめたんか?」

17年間勤務したメーカーを思い切って退職し、株式会社マザーネットを創業したのは、小3の長男ハルカの、この言葉がきっかけでした。
24歳で結婚、その後はなかなか子どもに恵まれず、不妊治療を経て、あきらめかけたときに思いがけず妊娠。30歳でハルカを、2年後に次男のセイを出産しました。長男が産まれた当時は、入れる保育所を見つけるのにもひと苦労。やっとの思いで息子を預けて何とか職場に復帰したら、今度は保育所から子どもの発熱で呼び出しが……。
保育所は熱が37度5分以下でなければ預かってくれません。仕事をしたい気持ちはあっても、なかなか思い通りにはいかず、仕事も子育ても中途半端。職場のみんなも、わたしのことをどう扱っていいのか、悩んでいるようでした。

どうしたら働くママに優しい世の中になるのだろう。

そうだ! 仕事と家庭を両立する上での問題点を解決するサービスを提供する会社を作りたい! できれば、社員はみんなママで!

子どもの授業参観や学校の行事は、もちろん気兼ねせずに参加する。でも、仕事をしているときは、最大限の努力をする。そんな会社が良い業績を上げれば、古い価値観が根強く残る会社の経営者たちも「ママたちにもっと活躍してもらおう」と思ってくれるかもしれない――。

その日から、夜、子どもに絵本を読むかわりに、自分の夢を話すようになりました。
「お母さん、会社作りたいねん」
「どんな会社?」
「働くママにやさしい会社。だっていまの会社は参観日だから早退させてくださいって、言いにくいもん」
「そうやな。ぼくらもお母さんに授業参観に来てほしい。後ろを振り向いたとき、お母さんがいないとさびしいから……」
こんな話をしながら、子どもたちは毎晩眠りについたのです。

それから数年後、39歳になった春でした。小3になったハルカがわたしのところにやってきました。ハルカもセイもプロ野球選手になるのが夢。目標はハルカがイチローで、セイは新庄でした。
「お母さん、ボク、イチローみたいに才能ないかもしれへん。そやから二番目の夢を考えようと思ってるねん」
「あかん! 2番目のことを考えたら、1番目の夢はかなわへん。とことんイチローになる努力をして、あかんかってから次の夢を考えたらいいねん」
「わかった。お母さん、ボク、イチローになる」
長男は泣きじゃくりながら答え、その晩は眠りにつきました。

その翌日の朝のことです。ハルカがわたしにこう言いました。
「お母さんはハルカに夢をあきらめるなって言うのに、お母さんは社長になる夢、最近まったく言わへんけど、お母さんも夢をあきらめたんとちゃうの?」
「そんなことないよ。でも、会社を作るのにお父さんは反対やし、会社を作るのにお金が足りないから、いま一生懸命貯金しているところやねん」
「なんや。お母さん、お金ないからできへんかったの? そんなことなら、言ってくれたらええのに。ちょっと待っててな」
そう言うと、ハルカは自分の机の中からおこづかいをわたしに差し出しました。
「お母さん、これで会社作って!」と、右手に1200円を握り締めています。その話を横で聞いていたセイは「お母さん、これも使って!」と貯金箱を持ってきてくれました。中には676六円。1円玉や5円玉がいっぱいです。
「ありがとう。気持ちはとってもうれしい。でも大事なお金だから、しっかり持っておいて」とわたし。
「そうか、まだ足りないよな。もうちょっと考えてみる」とハルカ。セイと二人で相談し、再びわたしのところへやってきました。
「この間、お父さんに聞いたら、毎年もらったお年玉を、銀行に貯金してるらしい。ぼくが一二万円。弟のセイが一三万円。あれも全部あげるけど、それでも会社作るの無理?」と言うのです。
ここまで言われてやらなかったら、子どもたちも夢をあきらめてしまう。
「わかった、お母さん会社作る!」。

それから四カ月後。働くママの総合支援サービス会社マザーネットを創業したのです。
親が夢を描き、夢を実現することで、子どもたちも夢を描けると思うのです。

子どもたちはいまでも信じています。「夢は必ずかなう」って。

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