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こころの再生百人衆

芸能・文化分野の方々

河内家 菊水丸さん

伝統河内音頭継承者


1963年2月14日、河内音頭の故郷・大阪府八尾市に生まれる。9歳で父河内家菊水に入門し、東大阪市弥刀東の盆踊りにて初櫓。高校在学中、吉本興業に所属。1980年8月、旧なんば花月劇場にて初舞台。1984年、明治時代に流行し、戦後に滅んだ「新聞詠み」を復活させ、世相・事件を題材にした作品を200作以上発表。2007年8月、北御堂盆踊りにて前人未到の9000櫓を達成。2008年、大阪芸術大学芸術学部芸術計画学科客員教授(日本文化史)に就任。2009年秋からは、新聞詠み河内音頭家元を返上し、継承者の高齢化が進む古調の河内音頭の保存伝承に専念する。
◆著 書◆
「音頭ボーイ」(ヨシモトブックス)
「河内家菊水丸の新聞詠み河内音頭・唄う爆弾30連発」(集英社)他
◆C D◆
「河内音頭秘蔵コレクション①②③」(コロムビアミュージックエンタテインメント)
「河内家菊水丸・新聞詠み&古典ネタ三十五席十枚組大全集」(ロックレコード)他

河内家 菊水丸さんからのメッセージ

復活!「朝まで盆踊り」

私は21歳の時に長くやり手がなかった新聞詠み河内音頭を復活させ、菊水丸流家元として、25年間活動しました。そして、昨年からは古調の河内音頭の節回しや物語を次の時代に残し、伝承していくことに専念しています。

河内音頭の節回しにもその時代の流行があり、変化しています。昔の節回しを知らなければ、後々、今あるものしかやらないということになってしまいます。チャレンジしてできなかったのなら、それは仕方ないことですが、知らないからできないというのは、プロとして最も恥ずかしいことだと思います。そういう状況を招くことをわかっていながら、知らないふりをするのは先人達に失礼です。ですから、今のうちに、滅びつつある、あるいは滅んでしまった河内音頭の節回しや物語を古老の人からお聞きし、しっかり受け継いでいこうと思っています。

伝統芸能を受け継ぐ上で大切なのは、昔の形を守りながら変化させていくことだと思います。いつまでも古いままでは言葉もわからなくなってしまいます。保存するだけでなく、保存しながら進化し、現代のものとして商品に出せるというのが、一番理想的な伝統芸能が歩む道だと思います。そうすれば、いつの時代にも受け入れられ、本物のよさを伝えていくことができると考えています。

河内音頭の節回しや物語とともに、私が一番残していきたいのは「朝まで盆踊り」です。
私が河内音頭とりになった少年時代は、夏に夜通し盆踊りというのがありました。夕暮れ時から人が集まりだし、夜店が出店し、櫓の提灯にそろそろ灯が燈ろうかという頃に盆踊りが始まり、日付が変わっても続きました。

ところが、時代とともに、様々な規制で盆踊りの終了時間がどんどん早くなっています。しかし、例えば、大きな音が近所迷惑だとかいう問題は、昔も同じで、昔はタオル一つ持って近所に挨拶に行くといった準備をしていたと思います。近所の祭りなど何かイベントをする時には、世話役の人が若い者を一緒に連れて回り、みんながこのようなことを順送りで習っていったものです。これはまさに近所のコミュニケーションで、子どもたちにとっても世の中に出た時に役に立つことだと思います。それが今では、そのようなノウハウを知らない人ばかりになってしまったため、根回しもせずに祭りをやって、うるさいと言われるから早く終わるという状況になっています。知っている世代がノウハウを伝授していかなければならないと思います。

また、私が子どもの頃の盆踊りでは、日付が変わっても、親公認で子どもも友達同士で、その場にいることができました。深夜に家に帰っても、年1回の祭りの日だからと、当然、怒られたりすることはありませんでした。しかし、今はどこでも、子どもが遅くまで遊んでいたら非行につながるからと、何時までに帰らなければいけないという規制ができています。親も、たとえ祭りの日でも、子どもが夜通し遊ぶことはいけないことだという認識を持っています。結局、大人が祭りの場から子どもを閉め出しているのです。これでは、子どもたちが発散する場がなくなり、息苦しくなってしまいます。子どもも年1回ぐらいは、友達同士で多少羽目をはずすくらい楽しんでも構わないと思います。老若男女がそろう祭りの場なら、子どもが悪い事をしても、大人がその場でしかることができます。大人は、毎日頑張りすぎるくらい頑張っている子どもたちに息抜きの場を提供してあげることが必要だと思います。

現在のインターネット社会では、地域のコミュニケーション不足が問題になっています。また、青少年による凶悪事件や薬物乱用事件など犯罪が増加しています。これは、昔の盆踊りのような地域の老若男女が一緒になってやる祭りがなくなっていっていることと関係しているように思います。祭りは、地域の年配の方から若者、子どもまでが一つになってつくるものでした。みんなが年1回の祭りを楽しみに準備し、それで1年が回っていました。大人も子どもも一つの目標に向けて没頭できるということは実に大事なことだと思います。また、祭りをやる中で、子どもは地域の決まりや社会の一定のルールやマナーを学ぶことができました。そして、みんなが顔見知りになって縦横のつながりができ、地域のコミュニケーションが生まれました。それは、子どもたちの安全、地域の活性化にもつながります。

このようにすばらしい地域の行事を子どもたちから取り上げてしまってはいけないと思います。子どもたちのためにも、是非「朝まで盆踊り」の復活を!!

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