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こころの再生百人衆

芸能・文化分野の方々

松原 利巳さん

大阪市立芸術創造館副館長 国際児童青少年演劇フェスティバル大阪 総合プロデューサー  松原 利巳氏


大阪市立芸術創造館 副館長 
国際児童青少年演劇フェスティバル大阪 総合プロデューサー
1951年 北海道生まれ
1972年 情報誌「プレイガイドジャーナル」演劇担当。
1982年 「オレンジルーム演劇祭」を中島氏と共同プロデュース。
「キャビン小劇場」をプロデュース。
1983年 「パーキージーンシアター」をプロデュース。
1985年 OMS、近鉄劇場・近鉄小劇場オープン。OMSの企画委員、近鉄劇場
のプロデューサーに就任。
2002年 関経連「劇場文化研究部会」に参加
2003年 びわ湖ホールの演劇アドバイザー
2004年 近鉄劇場閉館。シアターBRAVA(旧大阪MBS劇場)企画チーフ就任
2005年 大阪・アジアアートフェスティバル総合プロデューサー 等 歴任

松原 利巳さんからのメッセージ

「本物を鑑賞し、心を動かすことが大切」

海外では、特に東欧、北欧などのヨーロッパ圏では、国が子ども向けの文化に多くの予算を使っています。そして様々なジャンルの優れた作品がたくさんつくられています。こうした国々では、子どもたちには「良質の作品を見る権利」あると考えられていて、文化創造団体への助成金などは、文化や教育の予算ではなく、日本では想像できないようなセクション、「福祉予算」から出ているというのですから驚きます。

また、子どもたちには優れた文化芸術を見る権利があるので、文化の提供者も優れた作品をつくらなければならないという意識が高く、文化が食事と同じくらい、人間にとって必要なものであるとされています。「食物は体を作り、文化というのは心を作る」。つまり人間にとって両方必要不可欠なものなのですね。

「こころの再生」府民運動では、「頑張りましょう」「みんなで何とかしましょう」と呼びかけるだけでは、こころは再生しにくいのではないかと思います。本当の意味で再生していくためには、「心を動かすこと」、つまり感動する心を取り戻すことが必要です。そのために文化が非常に役に立つと思います。

人間の情緒的な部分を動かすときや、他人のことを考え、人の話しを聞こうとするときに必要なのは想像力です。こうしたら他人は嫌だろうなとか、こうやったら喜ぶだろうな、などと想像する力が、今どんどん失われてきていることが一番の問題ではないでしょうか。

例えば音楽や映画、演劇、美術作品を見ていると、人は自ずといろいろなことを想像し、想像することによって人は感動します。つまり心がどんどん動くようになる。そうすると普段の生活でも、他人が嫌がることや、痛みや悲しみなどわかるようになるはずです。

子どもたちの心を再生させるためには、柔らかい心をもてるような環境をつくることが大切です。まずは硬くなった心をとかしていかないと、心は動かず、想像力は育成できません。しかし、そうした環境は親が与えるものであって、子どもたち自身では自分の環境を選べません。当然のことですが、親が変わらないと子どもたちの環境も変わっていかないので、ますは親が変わることから始める必要があると思います。

文化・芸術が盛んな海外では、たとえ子ども向けの作品であっても、難しいテーマを取り上げ、親と子どもが一緒に観ることができる作品づくりをしています。それは技術的にも高いレベルのことですが、たいへん重要なポイントだと思います。たとえば、こうした優れた作品の作り手と接すると、その人たちの心の豊かさに感動します。心の豊かさが作品に映し出されているからです。一流の作品に、解説や知識は要りません。本物を見て、人間が感動することは世界共通なのです。本物であれば、みんな理由はわからないけれど何かを感じ、心が動きます。これは何だろうって思ってしまう感動が必ず生まれるのです。

だからクオリティの高いものを子どもたちのために、大人が選ぶことが大切です。数はたくさんなくても、良質な作品との出会いをきちっと作ってあげることが、大人の責任だと思います。

芸術文化に関わっている私たちは、特に、子どもの「こころの再生」というのを考えるとき、本当に良いものを子どもたちに提供することを心がけ、どんなに小さなかたちでもいいから続けていかなければならないと思っています。

本物を鑑賞して心を動かしていくということの大切さを認識し、そういう機会を作っていくということが、大人の責任としてあるのではないかと思います。

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