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「こころの再生」府民運動とは

「こころの再生」シンポジウム

パネルディスカッション「本気で考える、今『こころの再生』」内容

子どもたちをめぐる状況は危機的なものになっています。心の傷む事件も多く発生しています。このままではいけない、どうしたら良いのだろうかと多くの人が思っていると思います。この点についてお話を伺っていきたいと思います。

生野氏
大学で授業を持っていて、ピチピチとした現代の若者と接しています。その反面心療内科の外来も受け持っていて、そこには悩んだ末にすがるようにして来院する子どもたちもたくさんいます。真剣に悩みと向かい合う子どもたちの思いも素晴らしいと思います。

中井氏
お好み焼きの専門店を経営しています。仕事に専念してきたため、母子家庭のような生活を子どもたちに強いてきました。長男がグレた時、きちんと向かい合いました。そこから自分のことだけではなく、家族の絆というものが出てきます。子どもが親の背中を見て育つのなら、自分にも足かせをかけようと思ったのと、学歴は関係ないけれど学問は必要だと思い、私自身が通信制の高校に入ってがんばったこともあります。私の会社では、採用するときに必ず採用する人たちが居ます。非行少年少女、鑑別所や少年院に居た人たちです。採用にあたって彼らに言うことは、過去は問いません、現在と未来を問いますと言っています。過去は変えられないけれど、未来は自分で変えられるからです。今、その気持ちを持っているかどうかは重要です。

平岡氏
私は清風南海で受験勉強を40年やってきましたから、受験勉強の弊害をよく知っています。今は専門学校を経営し、最近は坊主もやるようになりました。最近はその経験を若い人に伝えないといけないと思っています。

上田氏
京大を定年で退職したら、知らないうちに大阪府立女子大の学長に選ばれていました。当時は大阪が大嫌いでしたが、2期4年学長をしていた間に大阪が好きになってきました。京都の人は本音を言いません。でも大阪の人は本音を言う、そこが良いところだと思います。本音を言う大阪が好きで、今回の懇話会の座長を引き受けました。

高校生からも意見を伺おうということで、趣向をこらしています。
悩んだ時に、本気で相談できる人はいるか? 32人
相談できる相手というのは先生なのでしょうか、親なのでしょうか。今は大人と子どもの間のコミュニケーションギャップがあると思います。大人のかかわり方に問題がある場合も多いと思います。この点について、臨床経験のある生野さんに意見を伺いたいのですが。

生野氏
少し淋しいですね。子どもの鬱について、小学生2000人に調査したことがあるのですが、悩みを相談する人がいない、又は悩みを一人で抱えるといったことが鬱とかかわりが深いという結果が出ました。子どもは、悩みを相談できる人を誰でも良いから見つけて欲しいと思います。逆に大人の方は、相談された時にしり込みしてしまう人が多いのです。もし間違ったことを言ってしまったらどうしよう、という恐れを感じるからのようです。ですが、子どもにとっては正しい答えをあげることが必要なのではなく、悩みを聞いて、それを一緒に考えてくれる人が必要なのです。そのことが次にその子が壁にぶつかった時に必ず役に立ちます。答えを与えようとしなくて良いのです。大人と子どもには、当然考え方の違いがあります。お互いの違いがあることを認め合ったうえで、新しいコミュニケーションの方向を探る必要があると思います。

答えは大人と子どもの真ん中にあるということですね。新しい時代には新しい答えがあると。教育現場ではどう感じておられますか。

平岡氏
鬱が増えているのは、受験勉強に理由があると考えています。英語が嫌いな生徒は英語ばかり勉強します。生徒も正解を言わないといけないと思い込んでいて、嫌いな科目を嫌いにするシステムが出来上がっているのです。もう一つの理由は、日本の国語教育が間違っているからだと思います。テレビのインタビューを見ていても、英語圏の人は答える時に文章で話ますが、日本人はほとんど一言でしか答えません。その理由はディベート教育がなっていないからとも言われていますが、違うと思います。自分の話したい内容を話せる訓練ができていないのだと思います。自分の意見を述べる技術が訓練されていないのです。主語と動詞を話さなくて良い、日本語の構造にも原因があると思います。英語は主語と動詞と目的語が明確ですから。主語と動詞を明確にする訓練をすることが必要だと思います。さらに、自信をつけるシステムがないのです。もっと生徒に達成感を持たせるようなシステムが必要なのだと思います。自分の考えを言葉に表現できないから暴力に頼ってしまうのではないでしょうか。だから言葉の教育が重要だと思うのです。

もっともだと思いますが、日本語には行間を読むなど曖昧さが長所だという面もあると思います。
勉強以外のことで、何か大人から学んだことがありますか? 53人
本気で向き合う大人、勉強以外で関わるということの必要性があると思います。上田さん懇話会での話をまとめながらご意見をいただけますか。

上田氏
私が考えたよりも多い数ですね。世の中見捨てたものではないと思いました。懇話会では、委員から問題提起をしてもらって、知事も積極的に意見を述べてくれました。半年間で提言をまとめました。宮原さんは、特に話し合い、情報の交換、コミュニケーションの力が欠けているのではないかという指摘をされました。三枝さんは、話の内容を的確に捉える、笑いの大切さ、ユーモアの大切さ、ただ褒めたり叱ったりするのではなく愛情にプラスすることを指摘されました。井村さんは、本気の大切さを強調されました。吉永さんは、子どもの問題を考えるとき、子どもの目線で考えることが大切だということを指摘されました。私は命の教育が大切ではないかと申し上げました。アメリカの大学の先生が、命という言葉のイメージを問うたら、日本の学生は「血」と答えたそうです。アメリカの学生は、「愛」「光」「母」という答えが返ってきたそうです。なぜこんなに違うのか、と提起されたのが印象的でした。最近親子間の殺人が頻繁に報道されているので、血という答えが出てきたのかとも思います。生命の倫理について医学界でも活発に議論されていますが、命の大切さを考えるのは医者だけではありません。自分だけでなく他人、動物、植物の命、自分と他者の関係を考える感性を養う必要があるのではないでしょうか。学校教育には命の大切さを説く機会がないのが一番の問題だと思います。

子どもたちをめぐる状況は危機的なものになっています。心の傷む事件も多く発生しています。このままではいけない、どうしたら良いのだろうかと多くの人が思っていると思います。この点についてお話を伺っていきたいと思います。

平岡氏
淀川工業高校の吹奏楽にも、箕面自由学園のチアにも感動しました。その感動した気持ちを何かで表したい、と思いました。そこで隣に座っていた生徒に、感動したらスタンディングオベーションをしてくれないかと言ったら、ちゃんとしてくれました。その生徒たちの素直な心にも感動しました。一人では何もできませんが、一人から始めないと何もできません。相談できる人いますかという質問がありましたが、100%誰か居ると思います。気づかないだけです。本気で真剣に若者に話をしたら、次は自分が子どもに伝えていこうと思いますと書かれた手紙をもらいました。親からも、子どもを信じてこれからも生きていけますとの内容の手紙が来ました。私は一生懸命やっている人に目をかけてあげたいと思っています。

中井氏
淀川工業高校の吹奏楽にも、箕面自由学園のチアにも感動しました。その感動した気持ちを何かで表したい、と思いました。そこで隣に座っていた生徒に、感動したらスタンディングオベーションをしてくれないかと言ったら、ちゃんとしてくれました。その生徒たちの素直な心にも感動しました。一人では何もできませんが、一人から始めないと何もできません。相談できる人いますかという質問がありましたが、100%誰か居ると思います。気づかないだけです。本気で真剣に若者に話をしたら、次は自分が子どもに伝えていこうと思いますと書かれた手紙をもらいました。親からも、子どもを信じてこれからも生きていけますとの内容の手紙が来ました。私は一生懸命やっている人に目をかけてあげたいと思っています。

本気で話をできる大人が少ないのでしょうね。

生野氏
今頃、娘が子どもを産んでいる最中です。生まれてくる孫に私がしてあげられるのは臨床心理士や医者の知識をつたえることかと思いました。でもそうではなくて、おばあちゃんというものがどんなものか教えてあげることが一番大事で、私にしかできないことだと今は考えています。少しでも長く子どもに接することが大事だと思っているところです。

質問です。最近親教師以外から叱られたことがありますか? 32人

平岡氏
昔はみなよその子でも構わず怒りました。多いか少ないかはよくわかりませんが、32人居るというのは良いなあと思います。電車内で、サーフィンボードを椅子にのせている子に除けなさいと言ったら、周りの大人が真っ先に知らんふりをしました。妻に言ったら「殺されるで」と言われましたが。

子どもたちに対して、大人たちがどう関わっていくべきでしょうか?

中井氏
教育はやっても人が育たない。学歴は立派でも学力がない。知識は豊富でも知恵や工夫がない。体格は良くても体力がない。感動するのは、素直になったらできます。素直だから感動します。人と比べず、焦らず、あきらめず。これが大切です。子どもと一緒に大人も成長していくのです。教育とは少し違います。知恵というのは日常生活の中から学んでいくものです。

家庭での教育についてどのような姿勢が必要でしょうか?

平岡氏
こころの再生というテーマのひとつに、あいさつがありますね。それはとても大事だと思います。あいさつは一人ではできません。相手が必要ですから。子どもも大人も最近は挨拶をしません。大人ができることは、大人からするべきです。大人同士、若者同士でまず声を掛け合うことが、一つの運動になっていくと思います。寺で法話の会をやると、お年寄りが出てきます。お年寄りも淋しいのです。

上田氏
宗教心が乏しいと言われましたが、教育基本法では、宗教的情操は尊重せねばならないと言われているにもかかわらず、次の項目の政教分離だけが取り上げられてしまっています。日本語には良い言葉がたくさんあります。「おかげさまで」と感謝するのは、一人ではできません。この言葉は奈良時代からある言葉です。「もったいない」も、鎌倉時代にはすでにあった言葉です。そのような他者への感謝が社会全体として欠けているのではないかと思います。他の人のために尽くすということが欠けているのではないでしょうか。天台宗の高僧が、殺すな・盗むな・嘘つくな、これをしないと日本はダメになると言われました。司馬遼太郎も、訓練しないと優しい人間になれないと言っています。赤子の魂はキレイだと言うが、訓練すなければ素晴らしい人間にはなれないのです。

どんな時代でも、どんな社会でも「いいことはいい、わるいことはわるい」というのはあるはずです。今日の話は会場の方も持ち帰って、それぞれが考え、行動に移してもらえたらと思います。

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